小説・漫画好きの感想ブログ

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「マラザン斃れし者の書1 碧空の城砦3」  スティーヴン・エリクスン著 感想

 マラザンの最新刊。
 マラザン斃れし者、の第一部である「碧空の城砦」三部作が一応今作で完結しました。
 本来はもっともっとずーっと長いシリーズ物の第一部で、海外ではずーっと先まで出ていて、いまや「トワイライトサーガ」や「ハリー・ポッター」「ダレンシャン」シリーズにも勝るとも劣らない大人気ファンタジーという事なのですが、、どうかなぁ日本では定着するかなぁ。
 難点が三つ。
 一つは、背景説明がかなり不親切。これは、ある意味、読書人口が少ない、特にファンタジーに対して親和性が少ない人からするといきなりハードルが上がっちゃうんじゃないかなぁと心配です。二つには、主人公が誰なのかハッキリしない群像劇スタイルで、しかも一部や二部、三部などでも主人公や登場人物は変化しそう。これも日本人的には、あんまり得意なパターンではないし、しかも名前が当然のように外人ですからねぇ。誰が誰やら、何がなにやらになりかねないかなぁ。最後三つ目は、刊行がここでぶっつりと途切れそうな気配が濃厚なこと。。。最初の一巻から、二巻、三巻と巻を重ねるごとに本屋さんでの平積み具合がなくなっていっている状況。しかも、その売れゆき次第では、この第一部で切りそうな気配が満々にあるので大丈夫かなぁと。
 「魔法大戦」みたいにグイン・サーガばりの大長編が刊行されている例もあるので、売れ行きさえよければ大丈夫とは思うのですがいささか心配です。
 
 内容のほうはかなりガチガチのハイ・ファンタジー。とっつきにくさでいえばトールキンの「指輪物語」レベル。しかも、登場人物や世界観、キャラクターについては、多重人格や神様の憑依などもあり、このさきの展開や本当の意味での勢力図がまったくといっていいほど読めないというハードルの高さです。自分も半ば脱落気味かな。最初の頃はこの堅さがいかにも本格ファンタジーという感じでいい感じに思ってましたが、三巻になっても全体像がわからないまま、不透明なままで進めていかれるとうーん、、と思い始めております。しかも、伏線とかの回収がまったくなされていなかったり、されはしたけれど、あまりにも投げっぱなしっぽい回収だったりで。。。。
 誰かこれ読んでいる人いないかな?
意見交換したいんだけれど、まわりには誰もいなかったです。
 ファンタジーと神話の融合ものなので、そちら方面が好きな方に一度読んで感想教えて欲しいなと思います。一般お勧めレベルはあんまり高くない、と思います。

碧空の城砦〈3〉―マラザン斃れし者の書〈1〉 (ハヤカワ文庫FT)

碧空の城砦〈3〉―マラザン斃れし者の書〈1〉 (ハヤカワ文庫FT)