小説・漫画好きの感想ブログ

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ノーベル賞受賞のクロスカップリングとは 鈴木章氏と根岸英一氏

 下の方の速報時点では、研究内容とかがわからなかったのですが、夜のニュースで色々聞いて深く納得しました。
 本当に、幅広い分野に応用できる技術を確立されていた方だったのですね。
 また、インタビューの中で鈴木さんの方だったかな、彼が、「僕はこの発見には特許とかをまったく取っていない。みんなが使って活用してくれたらそれで嬉しいし、特許にしてしまって自由に使えない方が科学にとってマイナスだ」というような趣旨の発言をされたことに深く感じ入る部分がありました。
 最近は、特許は既得権に繋がるということで、種であれ、方式であれ、技術であれ、システムであれ、なんでも特許にしてしまうようなご時世ですから、こういうのがいい意味での本当の科学者のありかたなんだろうなと思いました。もちろん、国家戦略からすればこういうのもきっちり特許にして、国内研究はフリーにして、外国に対しては使用料をとって、その資金を次の国内の基礎研究に回すべきなのでしょうけれど、そういうところにないあり方というのは素直にいいなと思いました。
 

 授賞理由は「有機合成におけるパラジウム触媒クロスカップリング反応」。2種類の有機化合物を比較的簡単で効率良く結合させる画期的な方法で、抗がん剤をはじめとする医薬品や液晶、半導体などの開発に大きく貢献したことが高く評価された。
 日本人のノーベル賞は、08年に益川敏英名古屋大特別教授(70)ら4人が受賞して以来、2年ぶりの快挙。米国籍の南部陽一郎シカゴ大名誉教授(89)を含め、計18人となった。化学賞は08年の下村脩・米ウッズホール海洋生物学研究所特別上席研究員(82)以来、計7人で、物理賞と並んで多い。
 有機化合物は炭素が骨格を形成するが、炭素同士は結びつきにくい。そこで、自らは変化しないが、周りの物質の反応を促す「触媒」を利用することが考案された。
 根岸氏は1977年、有機亜鉛化合物と有機ハロゲン化物を、希少金属パラジウムやニッケルを触媒として結合させ、新化合物を生み出す「根岸カップリング」を開発。鈴木氏は79年、有機ホウ素化合物と有機ハロゲン化物を、パラジウム触媒のほかに塩基(アルカリ)物質を加えることで結合する「鈴木カップリング」を開発した。
 有機ホウ素化合物が安定して扱いやすいことから、この反応は複雑な医薬品合成などに幅広く使われるようになった。
 ヘック氏はこれらに先立つ72年、有機ハロゲン化物とパラジウム触媒を使う反応を開発し、基礎を築いた。