小説・漫画好きの感想ブログ

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「グイン・サーガ画集 末弥純篇」 末弥純画 

 先週の日曜日、実は東京でグイン・サーガのオフ会がありました。
 東大の弥生門のすぐそばにある弥生美術館という竹久夢二が常設されている美術館にて、グイン・サーガの生みの親である栗本薫氏の展示が行われており、それにあわせる感じでのオフ会でした。 
 その顛末についてはいずれじっくりと余裕のあるときに書きたいと思うのですが(あ、ひのえさん、手作りのタルト、少しずつ食べています。お土産で買ったドーナツプラントのドーナッツより遙かに美味しいです^^)、今日のところはそこで手に入れた画集のほうだけ。
 
 末弥さんは、歴代4人いるグイン・サーガのイラストレーターの二代目さんにあたる人で、この画集に収められているのは57巻の「ヤーンの星の下に」から87巻の「ヤーンの時の時」、外伝10巻の「幽霊島の戦士」から16巻の「蜃気楼の少女」までの表紙、口絵、挿絵の全てです。
 末弥さんといえば、日本語版のウィザードリーや、秋せつらの諸シリーズなどの表紙が代表作で、その二つの代表作品でも見せた重厚な油彩表現が凄い方です。が、個人的には僕はこの方の別の一面、口絵などに見られる繊細なタッチと色使いも好きで、油彩の時とは一線を画した別人のようなタッチと色使いに凄く才能を感じます。この画集で言えば、58Pの「試練のルノリア」、56Pの「豹頭王の誕生」で火酒の壺を抱えてのんだくれているイシュトヴァーン、16巻の「蜃気楼の少女」の宇宙兵達などが凄くイマジネーションをかき立てられました。初代絵師の加藤さんの重厚なタッチとはまたひと味違う華やかさや硬質さが作品に更に深みと広がりを与えたのではないかと感じます。
 もちろん、油彩の表紙絵も、馬上のイシュトヴァーンや、赤い目をしたグインなどの印象的なものがたくさんありますが、第三の絵師である天野喜孝さんとの繋ぎとしてもまさに適役だったのではないかと思います。
 A4の大ききな画集にしてはそこそこにお買い得な値段でもありますし、買いの画集でしょう。

 ただ、惜しむらくは、せっかくの画集なので制作時期や解題的な解説などがあるともっと嬉しかったです。
 純粋に絵だけの画集なので、そのあたりがちょっと残念です。

末弥純 グイン・サーガ画集

末弥純 グイン・サーガ画集