小説・漫画好きの感想ブログ

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「エンバーミング3」 和月和宏著 感想

 エンバーミング、の三巻です。
 フランケンシュタインに代表される人造人間を主人公にすえた電機アクション漫画の最新刊です。
 フランケンシュタインに、と書きましたが、フランケンシュタイン博士の作った人造人間はイメージ的には不細工で知能が低くて乱暴者で、、というイメージですが、この作品に出てくるフランケンシュタインは生前の人間の人格を残しつつも非人間的に残虐に歯止めがきかない人間となります。そして、それぞれの人造人間はただ単に人間以上の力を手に入れるだけでなく、それぞれに特殊な能力を付与されています。彼らは、ひっそりと死体を拾ってきては改造する一方、国家権力と密かに手を結び活動をしたりもします。時代と舞台はビクトリア女王が統治するイギリス、ロンドン。ちまたには切り裂きジャックが跋扈し、貧民と貴族の階級格差はどんどん広がり、戦争の気配が近づいてくる世界で、人造人間たちは吸血鬼のように一つの勢力として確固たる地位を築きつつあります。一般の人間には知られていないものの、密かに数を増やしています。
 そういう背景のもと、主人公も、死後この人造人間に改造されるのですが、、、彼は自分自身も含めた全ての人造人間を殺すことを誓います。当然そんな彼ですから、その高い戦闘能力のおかげで最初は敵方にスカウトされるものの、結局は全ての勢力を敵に回しての戦いの泥沼へとひきずりこまれていきます。。。
 ということで、話が大きく回転し始めた第三巻ですが、、戦いが続いていくし、人間はひたすら殺されていくし、なんといかうか救いのないお話です。そもそもの最初から、主人公は死んで改造されているし、仲のよかった友人も殺されるし人格が破壊されるし、人助けはうまくいかないし、戦争は起こるし、、、、彼の前々作の「るろうに剣心」の終盤もけっこう消耗戦で厳しい戦いが多い話でしたが、これも結構にひどい話が多いです。基本的に、こういうシチュエーションが好きなのでしょうかね。
 そうそうそういえば、その「るろうに剣心」(そういえば佐藤健が実写映画で主演するそうですね。「龍馬伝」の以蔵役が評価されたのかな。

エンバーミング-THE ANOTHER TALE OF FRANKENSTEIN- 3 (ジャンプコミックス)

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