小説・漫画好きの感想ブログ

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「キングダム」1巻 2巻 原泰久著 

 今連載している、中華戦国ものの中では骨太さ、画力でダントツ一位の漫画はなんといっても、この「キングダム」でしょう。ヤングジャンプ連載中ですが、今ヤングジャンプの中でも「華麗なる食卓」と「GUNZ」と並んで力のある作品の筆頭漫画でもあります。
 パラパラと毎週眺めていましたが、面白さが落ちていく気配もまったくないので、ちょっとずつ集めてみようかと思います。
 舞台は、秦が中国統一をなしとげる直前。といいますから、今から数千年前の中国西部。
 その未来において、中国全土を統一する「秦」の始皇帝の「嬴政」。彼の影武者として殺された少年と、将来大将軍になると誓い合っていた少年「信」の二人を主人公にした物語なんですが、、、着目すべきはその画力。身代わりとなった少年が殺されるのは仕方がないとして、本物の政を殺すべく後をつけてきた殺し屋を二人も撃退する「信」、普通に考えればあり得ない話だし、無茶苦茶です。でも、そんなこともありかと納得させるだけの迫力のあるタッチと画力がこの作家さんの強みでしょう。
 凛々しい少年は凛々しく、暗闇に蠢く敵役などは見にくく気持ち悪く、悪役はあくまで悪役風に。京劇的な分かりやすさを押し出しつつも、きっちり読ませる画力が凄いです。また、そういう力押しの部分だけでなく、当時の王族、貴族、豪族の力関係や生々しさなどは多少誇張ぎみですが、日本のドラマではないタイプの術作権謀が描かれていて、そのあたりも読み応えがあります。
 現在連載のところでは、すでに隊を率いて戦う「信」ですが、この出だしの頃は勿論、まだまだ徒手空拳でいまだ何者でもないただの少年です。権力はもちろん、出世するために兵につくための身分すらまだない、ただただ奴隷的な身分の者でしかありません。しかし、最初の頃は友人の仇とさえ恨んだ王とともに自分の路を切り開くべく進んでいくことを決意する信の勇ましいこと。
 読み応えのある漫画です。
 

キングダム 1 (ヤングジャンプコミックス)

キングダム 1 (ヤングジャンプコミックス)

キングダム 2 (ヤングジャンプコミックス)

キングダム 2 (ヤングジャンプコミックス)