小説・漫画好きの感想ブログ

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「四季 秋」 森博嗣著 

 先日再読しました。
 デビュー作の「すべてがFになる」で鮮烈なキャラクタデビューの後、さまざまなシリーズで軍を抜いた天才として全ての規範や法を越えたところにある女性科学者として森作品の中である意味スペシャルな存在である真賀田四季博士。
 その彼女を描いた「春夏秋冬」の四部作の三作目にあたるのが本作。
 この本を読んで、森博嗣の作品を再評価しました。というよりは、より正確にいえば、全盛期の森博嗣の文章の強さ、鋭さ、美しさに衝撃を受けました。とともに、時というのは残酷なものだなぁとも思いました。それぞれの作家さんにはそれぞれの全盛期があって時代とマッチした瞬間のそれはとんでもなく破壊力があって、それは何にも代え難い力をもっていますが、それがまたずっと続くわけではないというのもこの本からは強く感じられて、、、。
 今の森博嗣さんを悪くいう気は全然ないですし、引退を宣言されている以上は何も言えませんが、、でも、このレベルの作品が書ける方だけに(あ、でもこの人のS&MシリーズやVシリーズ、Xシリーズを読んでいないと面白さが激減してしまいますが)うまく言えませんが、なんだか一瞬の美というのを逆に強く感じました。

 

四季 秋 (講談社ノベルス)

四季 秋 (講談社ノベルス)