小説・漫画好きの感想ブログ

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「ヒストリエ」6巻 岩明均著 

 アリストテレスの弟子にして、アレクサンドロスと同時代に生きたエウメネスを主人公にした古代歴史絵巻。
 ながらく、本当に長らく放置されてい増したが、無事に連載も再開、軌道に乗ったようです。「七夕の国」はいまひとつ最後が尻すぼみでしたが、なんといっても「寄生獣」で衝撃的なブレイクをした作家さんの作品だけに、待ちに待っておりました。
 この巻で、主人公のエウメネスはようやくついにマケドニア軍のの王子アレクサンドロスと出会いました。前巻では未来の話として二人が出会ったあとのシーンが描かれていましたが、本編では初接触。どんな邂逅シーンになるかと期待しましたが、そこは案外さらりとスルー。二人の交わりは今後の期待という形でした。
 さて。それはそれとして、今作品でのアレクサンドロス(アレキサンダーといった方がわかりやすいかな)は、蛇型の痣を顔に持つ容姿に加え、、、、すこぶる純真でいい人格と、もう一つ影の人格をもつ解離性の二重人格者として描かれています。世間一般的なアレキサンダーのイメージというと、もっと果断で、もっと理想主義者のような人格でしょうから、そこからするとかなり陰影のある人物になりそうです。岩明作品のキャラクターはみんなそうですが、主人公同様に、この人物もつかみづらい性格の持ち主となりそうです。
 6巻にもなるのに、まだ人物紹介かという気がしないでもないですが、大河ドラマのようにゆっくりとゆったりと進んでいくこういうドラマ性の高い歴史漫画は今とても貴重なので変なところで打ち切りだったりにならないようにしてもらえばと思います。期待しています。
 

ヒストリエ(6) (アフタヌーンKC)

ヒストリエ(6) (アフタヌーンKC)