小説・漫画好きの感想ブログ

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「ゼブラーマン」全3巻 山田玲司著 

 コンビニ版というのかな、あの分厚くまとめ直されたシリーズですが、中身は昔に出ていた「ゼブラーマン」です。哀川翔主演、仲里依紗も主演だっけかな、この春公開されていた「セブラシティの逆襲」の前段階のお話です。高校教師の市川が、自分の家庭の崩壊と、近辺で起こる様々な猟奇事件の解決にゼブラーマンとなって戦う(なって、といっても単にコスプレだけれど)というお話。
 山田玲司という作家の作品では「Bバージン」は別格として、この「ゼブラーマン」と「アガペイズ」がどれもこれもテーマをしっかりともっていて好きです。このゼブラーマンでいうと「白黒はっきりつけないと」という事で自分の信念や、本当に正しい事をするかしないか、灰色の世界で流されていきていくかいかないかというところがテーマにあると思うのですが、それが究極の選択的につきつけられているところが好きですね。
 奥さんは敵方と不倫するし、息子や娘からは腐った豚やら家畜やらいいたい放題言われ、学校でも冴えない先生、そんな主人公が小さいときにテレビで見ていたヒーローに憧れて動き出す、そして弱いながらもがんばる姿はばかばかしくも感動してしまったりします。理不尽にも耐えるヒーローというのは今の世の中にはあまりマッチしていないのかもしれないですし、最近では仮面ライダーでさえあまり苦悩しないくらいですから、時代にはそぐわないかもしれないですけれど個人的にはこういうヒーローもありかなと思います。
 

ゼブラーマン 1 (ビッグコミックス)

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