小説・漫画好きの感想ブログ

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「嵐ノ花 叢ノ歌」 東冬著 

 128冊目と129冊目の紹介です。
 下の記事ではないですが、ずいぶんと久々です。
 
 いわゆる伝記ものといったらよいのでしょうか、第二次世界大戦、というか大東亜戦争時のハルピン。帝国陸軍は、天津神国津神の子孫たちをパイロットにして半人型戦車を展開、中国側も炎帝の子孫たちが人狼たちを手駒として繰り出し迎え撃つ、それをヨーロッパの錬金術師たちが高見の見物としゃれ込んでいるというような舞台設定をしてのお話で、ノリとしては、荒俣宏の「帝都物語」ゃら大塚英志あたりが漫画の原作に書いてようなものに近い感じです。
 表紙からすると、もっと書き込みの激しい懐古的な絵柄かと思ったのですが、中身はごく普通のいい意味で綺麗な漫画です。とてもノスタルジックであるのは間違いないですし、さきに挙げたように神様の子孫たちが一般兵とまた違うレベルで戦っているということでファンタジーな要素が強いので、戦争の生々しさや悲惨さがなく読みやすいです。
 リアルに戦争の話となると、特に日本と中国の話になるとドロドロすぎてどちらの国の戦争被害者をきりとって描写しても重くなりがちですが、これはそういうくびきから解き放たれています。戦争ものに関しては、日本の戦争物だとどうしても生々しい感じがしてあれですが、ヨーロッパの百年戦争やら未来のSFなんかだとそのへんがないですから、日本の戦争物が苦手な人はそういう方向なら読みやすいかもしれませんね。
 

嵐ノ花 叢ノ歌 (アラシノハナ ムラクモノウタ) (1) (リュウコミックス)

嵐ノ花 叢ノ歌 (アラシノハナ ムラクモノウタ) (1) (リュウコミックス)


嵐ノ花叢ノ歌 2 (リュウコミックス)

嵐ノ花叢ノ歌 2 (リュウコミックス)