「失敗を生かす仕事術」 畑村洋太郎著
失敗学の創始者の畑村さんの本。
これは新書判です。畑村さんの本は既に何冊か出て来ていて、概論の部分は理解していましたが、これはビジネスに特化しているということで買って読んでみました。
失敗学そのものが、時間によるスキルや学問的劣化をうけないタイプのものだけに、参考になる部分、いかせる部分もありました。ヒヤリハットの法則なんかはわかっちゃいるけれど見逃しがちですが、対策を至急に取るべきなこともありました。
ところで、「失敗を生かす組織運営」の章では、たまたまもんじゅの原発事故を「局所最適・全体最悪」の例として挙げていますが、、これなどを読んだあとでタイムリーに原子力発電所の「もんじゅ」が運転再開をしたニュースを聞き、かつまた同時にミスがあったというニュースを聞くと、かなりゾッとします。本当にもんじゅは安全性が高まっているのか? 万を期しての再開なのか? と。
またこういう失敗学の観点から見ると、今の民主党政権下での鳩山首相の普天間基地をめぐる発言などは失敗から何も学んでいないなぁと思わずにはいられません。志や目指しているところ、視点の違いでやろうとしていることの是非や評価は変わるのでしょうけれど、個々の戦術ということでは失敗から何も学んでいないことがよくわかります。
- 作者: 畑村洋太郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2002/03/19
- メディア: 新書
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