小説・漫画好きの感想ブログ

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「進撃の巨人」 諌山創著 

 こんばんは。
 最近は、仕事没頭モードで更新が滞っておりますが、仕事を頑張るためにも切り替えていくべきところはいきましょう。
 ということで、、、漫画をちょっと片付けていきます。
 まず最初はこの本「進撃の巨人」。まだまだマイナーで知る人ぞ知るかもしれないけれど、これ、将来的には「テルマエ・ロマエ」なみに話題の一冊になりそうな気配の一冊です。
 簡単にあらすじを説明すると、遠い未来、人類は突如現れた巨人(本当に巨人です。別格のものもいますが、基本20メートルくらいまでのサイズの巨人です)に追いつめら、「街」と呼ばれる、高さ50メートルほどの巨大な壁に囲まれたごくごく狭い範囲の中で寄り添って暮らしています。壁の向こうの広大世界は全て巨人達に占拠され、人類の居場所はどこにもありません。巨人達は、ただ巨大なだけでなく、再生能力まで備えた圧倒的な力で人間を襲い、喰らいます。ただ、彼らがどこからきて、どうして人間だけを遅い、他の動物には全く興味をもたないのか謎が多いのですが、壁の中に追いつめられた人類たちにはその謎を解明する手段すらすでにありません。ときおり、兵を選抜して調査にいきますが、兵達のほとんどは巨人達の餌になってしまうばかりです。
 そんな世界に生きる主人公は物語の冒頭で、巨人たちの襲撃を受け、目の前で母親を食べられてしまいます。
 それから5年、成長した主人公たちは再び街を襲いに現れた巨人達に対峙するのですが、、。というお話なんですが、、これが実にえぐい。絵柄もあるんでしょうけれど、敵の巨人が本当に不気味で、人間とのコミュニケーションもなく、ただただ人が努力もむなしく喰らわれていくのを読むのはなかなかに精神的にきます。なんというのでしょうか、絶望がひしひしと伝わってくるのです。表現や、状況だけでいえば、もっと残酷なものやひどい状況を描いた漫画もたくさんあると思います。しかし、この漫画ほどに「絶望」を強く人の心に訴えかける漫画はありません。
 本当に、絶望って黒いんだ、と絶望が色付きで見える気がするほどです。
 画風は全然違うのですけれど、その絶望具合は、「ベルセルク」の蝕のシーン、グリフィスが生まれ変わるシーン並みの強さと深さです。
 また、1巻のラストは、少年漫画でそんなオチがあっていいのかというくらいのこれまた突き放した予想外の終り方をしておりまして、、この作者の突き抜け方に脱帽するとともに、どうやって物語を展開していくのか非情に興味をそそられます。

進撃の巨人(1) (少年マガジンKC)

進撃の巨人(1) (少年マガジンKC)