小説・漫画好きの感想ブログ

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「不機嫌な職場~なぜ社員同士で協力できないのか」 河合 太介 著, 高橋 克徳 著, 永田 稔 著

 以前から気になっていた新書です。
 僕だけでなく、社会人なら誰しもご納得いただけるかと思うのだが、伸びていく会社、盛り上がっていく会社は社員同士がよく話すし、熱いぶつかりあいがあるし、ある意味社外の人がみたらひくようなその会社だけで通用する言葉や認識や共通の文化風土みたいなものがある。
 しかし一方、どこの職場やチームでもそうだが、うまくいっていないところは、会社の方向性が見えなかったり社員それぞれがお互いに協力しようという意識が薄く、人間関係だけで会社が運営され(単純にいえば好き嫌いだけで会議の行方や日常業務の運用が違う)ている。
 そして、こうしたことは、それが問題だと認識する人と、認識せずにそれなりの生活ができれば友人感覚というかツレ感覚、楽していきたい感覚を優先したい人の泥沼の価値観論争のすえになかなか解決されない。
 そこに対して、何か新しいアプローチやら、新しい切り口、解決法があるかなという風な希望的観測で手にとってみたが、、、なかなかそう目新しいところはなかったかな。どちかというと、やる気が若手を中心に盛り上がらないそういう気持ちの土台・背景に、昔以上に若者の気持ちが終身雇用にさめてしまって、フリーライドを優先する空気があって、その傾向はさらに悪化しているという分析があってへこんだくらいです。
 また、盛り上げていくための手段として成功事例として語られて出てくることが、グーグルやサイバーエージェントのようなところの取り組みであって、早い話が中小企業には無理難題な話であったりもする。ただ、しいてプラス面を見れば、中小企業であれば、そういう共通認識作りの土台のコミュニケーションがいわゆるノミニケーションでも代用できるという点であろうか。ノミニケーションなどというのは前世紀の遺物のようなものであるが、まだまだ有効に働く人種もいるし、中小企業ならばそれを活用するのも手ではある。