小説・漫画好きの感想ブログ

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「御宿かわせみ11 二十六夜待の殺人」 平岩弓枝著 

 本年95冊目の紹介本です。
 前作で、主人公の神林冬吾の友人で八丁堀の待ち回り同心の畝源太郎が結婚したこともあり、ずいぶんと賑やかになった雰囲気が漂うシリーズ第十一作ですが、今回はある意味ひさしぶりに本格的な推理ものです。
 徘徊の集まりで町人たちが宿泊していた寺で、その師匠筋のものが足を滑らせたものか川で水死体となって発見される。見た所不審な点はないものの、どうにも気になるところがある。で、調べていくと何やら殺しの匂いがそこはかとなくある。しかし、家捜ししても聞き込みをしても、情報が少ないし、肝心の動機が見つからない。 
 そこで冬吾は一計を案じて噂を流して様子を見ると、、、、。
 ということで久々に推理です。
 かわせみシリーズは、時代劇という制約もある(物的証拠や指紋やアリバイについてはアバウトにしかできない)ので、どちらかというと人情話や、ひっかけで犯人に真相を語らせるしかない部分はあるので、この噂を流してというパターンはよく出て来ますが、この話はこれなくしては成立しなかったことでしょう。
 ひさしぶりにミステリ時代劇という本筋らしい「御宿かわせみ」を読みました。
 別の方になりますが、宇江佐真里の「髪結い伊左次捕物帳余話」ほうもこういうのをそろそろ読みたいものです。あちらも最近人情話に偏りすぎているので^^