小説・漫画好きの感想ブログ

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「あなたの話はなぜ「通じない」のか」 山田ズーニー著 

 あなたの話はなぜ「通じない」のか。
 タイトル通りのビジネス著ですが、これもなかなか読んでタメになった本でした。
 この本の内容を大別すると三つの論点に別れています。話が通じない理由分析から始めて、通じる伝わるようにするための方法としての三つを挙げています。一つ目は話をするときに必ず「なぜ」という意志を入れること、二つ目はは目線を必ず共感できるようにすること、そして最後は内容に関わらず「誰が」話しているのかとう個人のメディア力によってそもそもの受取り方が変わるのでそこを改善すること、でした。
 一つ目二つ目に関してはテクニカルな対応の部分で、うまく活用できれば効果がありそうです。意見を述べるときに、明確に何故そう思うのかを入れることによってハッキリとした意見になってくるという話や、共同してプロジェクトなり指導をいれていくときに上からでも下からの目線でもなく同じ問題に対処するものとしてアプローチする方法としては学ぶべきものがありました。
 ただ、往々にして努力してもなかなか話がわかってもらえない、職場で伝わらないという人にとっては最後が問題なわけで、そういう意味では発信者に対する見方が変わらない以上伝わらないという結論では意味がないというか身も蓋もない話なわけですが、、ポジティブに考えるなら、そこの解決を集中して考えざるを得なくなるというだめ押しの効用があるとも言えます。
 ただ、実際問題として、受取り手の印象によって、同じ話であっても悪意を持って取られる限りは、或いは理解したくないという前提できく話は百害あって一利なしというのは、なかなか難しい問題です。
 少年漫画のように正面からぶつかって自分の思いをぶつける、正論で話すことは全くの逆効果となって、事態が改善されて信用度や好感度があがってから話をするのが対処となるわけですからね。
 とはいえ、なかなか役にたつ本でした。

あなたの話はなぜ「通じない」のか (ちくま文庫)

あなたの話はなぜ「通じない」のか (ちくま文庫)