小説・漫画好きの感想ブログ

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「零崎人識の人間関係 匂宮理澄との関係」西尾維新著 感想

 西尾維新さんの、「戯言遣い」シリーズのスピンオフともいえるのが、作中に出て来た殺人鬼・零崎一賊の鬼子、零崎人識とその家族達を主人公に据えた「人間関係」シリーズ。
 今までも、人識の兄達との関係をそれぞれ描いた「人間試験」や「人間ノック」などの幾つかの作品がありましたが、今回はなんとそのシリーズが完結、しかもその完結篇として四作品が同時出版ということです。先日紹介した「零崎人識の人間関係 戯言遣いとの関係」と「無桐伊織との関係」今回紹介の「匂宮理澄との関係」「零崎双識との関係」の四冊が同時発売です。

 さて、内容のほうは、戯言シリーズ最長篇にして、最大の敵のオレンジが登場する「ネコソギロジカル」の裏話的な話となっており、匂宮理澄という、少女の身体に少年の精神が入っている鍛え上げた肉体と格闘技を武器とする殺し屋と、零崎の関係話です。
 この作品が、一番人間関係シリーズっぽい作品でしょうか。
 掛け違えで、人生最大の敵となってしまった匂宮理澄と人識の、掛け違えのきっかけにもあの狐面の男がかかわってきていたことが明かされる一作など、シリーズで分からなかった、語られなかった事件の補完がなされています。
 「戯言遣いとの関係」同様にボーナストラックのような感じです。