「三国志 八巻」宮城谷昌光著
こんばんは。
今ごろ帰宅です。
今日の御紹介本は、宮城谷「三国志」の最新刊です。今までにも、いろいろな作家さんや漫画さんバージョンで三国志は世に出ていますが、、、この三国志だけはやっぱり自分にはキツいです。
というのも、今回の巻は特にその傾向が顕著なのですが、宮城谷さんが描くところの蜀の武将、特に劉備や張飛や関羽についての扱いや描写がむちゃくちゃ酷いんですよ。人でなしというか、人非人というか、先見の明がないというか、嫌われ者というか、部下の掌握もできない人種というか、傲慢な人物というか、この宮城谷版三国志しか読まない人がいるとしたら、きっとこの三人は本当にひどいどうしようもない人間だと思うことでしょう。少なくとも、希代の英雄というような感じは受けないでしょう。
そりゃあ、英雄といっても、あの当時で英雄ということは戦争もバンバンしているし、人も殺しているし後ろ暗いこともあるでしょうし、非情なことをしたこともあるでしょう。ドラマでいうところの聖人君子的な劉備はありえないのは当然です。でも、それにしても、ひどいものです。
しかも、人格はともあれ強さや計略の冴えだけでも光らせてくれたらいいんだけれど、関羽の戦闘力もけっこう弱く描かれています。となると、本当に魅力がないんですよねぇ。。おかげで他の登場人物もたんたんとしていすぎて、魅力が薄くなるんですよね。北方三国志のようなゴリゴリに男臭かったり、あるいは吉川英治みたいに人間ドラマが濃過ぎたりしなくていいから、それでもやはり魅力ある人たちに描いて欲しかったなぁ、と思わずにいられません。
是非、蜀以外の、魏の曹操やら呉の孫権などのファンの人の感想もきいてみたいものです。
- 作者: 宮城谷昌光
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2009/09/15
- メディア: 単行本
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