小説・漫画好きの感想ブログ

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機動戦士ガンダム THE ORIGIN (20) ソロモン編・後 安彦良和著 

 機動戦士ガンダム
 我々の世代のものであれば、そう名前がつくものにはどういうわけだか無条件で手が伸びそうになるわけだが、意外なことに正統派の直球も直球の王道のこの漫画は読むのも買うのも初めてなのでした。
 たぶん、漫画の著者が、ファーストガンダムのもともとのキャラデザイナーの安彦良和だということで、本当にあまりにも王道すぎて手をだしていなかったのだと思うんだけれど、パラパラと本屋さんで手にとって、スレッガー中尉のビグザム特攻シーンだとわかって、反射的に買ってしまいました。
 スレッガー中尉の「悲しいけれど、これ戦争なのよね」「まだまだー」というシーンはガンダムでの屈指の名シーンだし、あの作品のキャラの中でもダントツに軍人さんらしい軍人さんの彼の男らしさとかっこよさに当時は惚れ込んでおりまして、条件反射的にいっちゃいました。
 それはそれとして、漫画として読んでのこの本の感想ですが、これを読むと、あのファーストガンダムって本当に半分は政治劇だったんだなぁというのを再認識させてもらいました。ザビ家の中の内紛で父親があっけなく殺される運命に赴く事、キシリアの陰謀、ドズルの猪武者ぶり、それらすべてが政治劇だったんだなぁとへんなとこで感心してしまいました。子供のときは、そういうのはあんまりわからなかったんだけれど、こういう作り込みが実は面白くていつまでも熱くさせる要素の一つになっているんだなぁと思いました。
 主人公のアムロがそんなに魅力的でないのに、いつまでも思い入れがあるのはこういうところにも要因があったのでしょうね。きっと。