小説・漫画好きの感想ブログ

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「ナチュン」3巻 都留泰作著 

 ナチュン、3巻です。
 前巻までのまったりとした沖縄生活、ややラブコメにSF風味という地点からいきなりの方向転換です。主人公のテルナリくん、今作では義理で働きにでかけていた勤務先の漁業組合に騙されて、海底深くで拉致され、奴隷生活に落とされます。深海も深海、日も射さない深海の下にあるコロニーに連れ込まれた彼は何百人という言葉も通じない人々の群れに放りこまれ、作業時間以外は全くの暗闇に閉ざされ、説明も何もなく深海での労働に従事させられる奴隷になってしまいます。その闇の中で、自然発生的に言葉もわからないアフリカ系の女性と出来てしまって赤ちゃんまで作ってしまいます。
 が、その赤ちゃんすらも売買目的で取りあげられ、まわりでは弱ってきた奴隷が次々に殺されていくというスーパー蟹工船状態に放り込まれます。手違いでの連れ去られなんですが、その闇の中で彼は自分の天才的なひらめきすらもほぼ忘れたかのように単調な生活を繰り返していきます。
 一方、沖縄の謎の女性は、自らの魂が抜けかかったようになり、人であって人でない本性を示し始めます。どうやら沖縄の古代からの祭祀に秘められた謎とともにこちらはこちらで超自然的な展開をしてゆきます。果たして、この先に何があるのか、どういう展開が待ち構えているのか、全く先の展開が読めない漫画です。

ナチュン(3) (アフタヌーンKC)

ナチュン(3) (アフタヌーンKC)