小説・漫画好きの感想ブログ

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新・餓狼伝〈巻ノ1〉秘伝菊式編

 三年半ぶりの「餓狼伝」文庫版です。
 「餓狼伝」自体知らない人も増えているかもしれませんが、これはどの格闘技が、どんな男が一番強いのかというシンプルな物語で、柔道、空手、プロレス、ボクシング、キック、ムエタイ、古流武術などのさまざまな人物がより強くなる為に、より自分の美学を貫くために戦うという極めてシンプルな物語で、、、、実は日本の格闘技ブームの火付け役的な役割も担っていました。
 漫画でもいっとき異種格闘技ものは流行りましたよね。「修羅の刻」とか。いまだと「バキ」や「喧嘩商売」なんかがその流れなんですかね。
 僕自身は最近ではすっかりとそちら方面の興味をなくしてしまいましたが、いまだに年末にはプライドとかK-1とかが日本ではあるじゃないですか。そしてそこそこに視聴率を取るでしょう? あれのおおもとの流れというか火付け役、最初の最初から盛り上げていたのがこの本でもあるんです。そういう意味ではとてもシンボリックで、そしてもちろん内容が熱いシリーズがこの本なんです。
 グレート巽とか、カイザーとか、松尾象山などなど読むと、あぁあの人がモデルなんだなという人がたくさんでてくるし、主人公の丹波文七や、姫川勉、この巻の主人公ともいえる伊達潮男などが語る生き様や信念などの熱さも魅力です。
 ずいぶんとほったらかしになっていましたが、再開されたこのシリーズ、とても楽しみです。夢枕獏さんには、これと「キマイラ」と「陰陽師」「九十九乱蔵」のシリーズを是非とも今年も書いて欲しいです。
 

新・餓狼伝 巻ノ一 秘伝菊式編(双葉文庫)

新・餓狼伝 巻ノ一 秘伝菊式編(双葉文庫)