小説・漫画好きの感想ブログ

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「ハーフな分だけ」全2巻 星里もちる著 

 ちょっと古い漫画ですが、たまにはこういうラブコメディーも。
 すぐに泣き出してしまう感情過多の字幕翻訳家の音裏由羽と、くさい台詞を爆笑せずに言う事ができないかけだし俳優の御前岳実。やや不幸なファーストコンタクトのあとにそれぞれの友人の結婚式で再び偶然に再開した二人は急速にその仲を縮める。しかし、根っからのリアリストの由羽と、ロマンチストの実は意見の違いで衝突の繰り返し。お互いのことは好きなのに、ぶつかっては喧嘩の繰り返し。
 二人の紆余曲折とラストの大円団に向けてのあれこれをきっちりと描くラブコメディー。今振り返ってみると、この作品、最近の星里作品と違って、三角関係や四角関係になるような複雑さや群像劇ような大量の登場人物もなく、いたってシンプルでさらっとしていますが、こういうストレートな人物造詣がこの人の根本なんだろうなぁと思います。「本気のしるし」とか「ルナハイツ」などの複雑なちょっと苦しい人物も出てくる人間関係にこじれがでてくる作品も味わいはあるけれど、この人の持ち味を最大限に発揮するのはこういうシンプルなラブコメディなのかも知れません。
 

ハーフな分だけ 上 (ビッグコミックス)

ハーフな分だけ 上 (ビッグコミックス)


ハーフな分だけ 下    ビッグコミックス

ハーフな分だけ 下  ビッグコミックス