小説・漫画好きの感想ブログ

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「ナチュン」2巻 都留泰作著 

 こちらも、去年読んでいたものになります。
 
 天才的なひらめきをもってイルカのフィールドワークに沖縄の離島に住み込みを始めた主人公のテルナリ。変人のゲンさんのところに半住み込み状態になった彼は、いよいよ念願のサバニ船を手に入れ、意気揚々とフィールドワークに没頭するかと思いきや、不可思議な事件と女性たちにひっぱりまわされて、調査・研究は遅々として進みません。 
 特に、言葉の通じない謎の女性(主人公が勝手にドル子さんと名付けるこの不思議な女性はどうにも謎が多いです)とゲンさんをくっつけようとしたりするくだりや、なんとなくの勢いで寿司屋の若奥さんと不倫的な絡みになりそうな主人公を見ていると、これってラブコメだったのかなと思わせる展開です。
 ただ、その合間合間に奇妙な妖怪じみたものが出て来たり、脳が半分えぐり取られた奇妙な天才科学者が再登場したり、彼を捜しているらしい外人の組織が現れたり、、とあいかわらず方向性がまったく見えず、、でも何故だか奇妙な味がある漫画となっております。作者の弁によれば、実はこの作品はゴリゴリのSFであるとのことですが、その方向性が今は朧げにしかまだ見えておらず、むしろ、妖怪ものになりそうな気配ですらあったりします。
 沖縄の不可思議な土壌が何でもありの世界をうまく包み込んでいる不思議な物語です。
 

ナチュン(2) (アフタヌーンKC)

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