「のだめカンタービレ」♯23巻 二ノ宮知子著 感想
漫画、ドラマ(上野樹里と玉木宏のテレビブレイク作品)、アニメ(来年初春第三部スタート)、映画(こちらも年末に最終楽章が公開)と大ブレイクを続けてきたこの作品もいよいよこの巻で最終巻です。
いつの間にやら、千秋とのだめの関係が逆転、どんどん開花してゆくのだめの才能に惚れ込んだ千秋のほうがのだめを追っかける展開になっていたこの頃。この巻でも、連載スタート時を思えば信じられないくらいに、いじましく彼女を追っかける千秋先輩。二人のコンチェルトを弾く事すら拒むのだめを強引に連れ出して、思い出の一曲を弾く千秋とのだめ。ベタだけれど原点に帰ったエピソードが良かったです。
ただ、惜しむらくはもう少し違う盛り上げ方もあったような。ミルヒーことシュトレーゼマンと千秋、或いは他の登場メンバーとのだめ達の絡みも見たかったような気がします。物語がどんどんスケールアップしていただけに、わりとシンプルで地味目な終わり方もこれはこれでいいんだけれど、もう一山あっても良かったかなぁなんて思う最終巻でした。
ともあれ、日本の少年少女のみならずクラシックに興味がなかった人にとっての、クラシックへの入り口というかきっかけづくりになった作品として、とても貢献度の高い漫画だったと思います。←書いている本人にとってはそれはどっちでもいい話だろうと思うけれど、「ヒカルの碁」だったり「動物のお医者さん」だったり、そういう作品はやっぱり歴史的に残って行くんだろうなぁと思います。
- 作者: 二ノ宮知子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/11/27
- メディア: コミック
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