小説・漫画好きの感想ブログ

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カレー 味善 神戸で美味しく不思議な店に出会った。

 先日、仕事絡みで兵庫県庁に行ったときに、前々から気になっていた店に入った。それは、「味善」というカレー屋さん。カレー屋さんなのに、店の外観は、どう見てもいいところの蕎麦屋さんや和食屋さん、京都の町屋風で、看板の下にカレーの文字がなければ素通りしていたに違いないが、限定老カレー、とか、特選ビーフカレーとかと和紙に墨痕淋漓と描かれたお品書きを見てからというもの、とても気になっていたお店でした。
 で、とりあえず入ってみてみると、ランチなのにカレーが1700円だったかな? コーヒーも頼むと、サラダとカレー、コーヒーの組み合わせで2000円ほどというそこそこランチにしては値がはるお店。そういう設定だからこそ、というべきかなんというべきか、女将さんと呼びたくなるような女性が応対に出てくれてメニューを手渡してくれますし、店のテーブルの周囲には竹が飾られ、四畳ほどの狭い店内の片隅には収納式の神棚(お地蔵さんのようなものが中に内臓していたから神棚ではないけれど)のようなものが祀られていて、あきらかに異空間。ちょっと普通ではない店でした。
 ただ、でてきたカレーはこれが実に美味。
 お肉がほろほろと崩れるくらいに煮込まれていて絶妙に柔らかい食感に仕上がっているし、なにより上品に品よくまとまったカレーのスパイス加減が絶妙。辛さを求めたり、強いインパクトを求めるとちょっと物足りないかも知れませんが、ルーの奥の旨味や渾然一体となった味覚を求めるならばこれはこれで一つの完成形かも知れません。ちょっと表現がまずいですが、ホエーをたくさん出しきった後のヨーグルトのようなもろっとした感じのルーも特殊だし、一部分たりとも突出した感じをまったく与えないスパイスのまとまりのよさといい、他にちょっとないカレーです。強いていえば、中村屋のカレーに近い、その系統のカレーです。
 神戸にいくなら、異空間と不思議な味覚を味わいにこの店に行ってみてもいいかも知れません。カレー好きなら、一度は押さえておいて間違いがない店です。元町、花隈、県庁前のどの駅から行っても徒歩3分ほどです。