「ヴァムピール」4巻 樹なつみ著 感想
「ヴァムピール」の最新刊です。
前巻で登場したヴァムピールの最高位実力者の魔手は、魔女カンタレッラのために、主人公の怜にも及びます。死体となった依り童に憑依することで肉体を維持するヴァムピール故に、中途半端な怜を殺すことには同意する男爵。カンタレッラの依り童であるものの、実はなにかしらの力をもっていた少女の笙。それらを浄化できる能力をもった笛吹。各人各様の思惑と、人間を餌程度にしか認識していないヴァムピールたちの特殊な感覚は物語をより錯綜する方向へと向かわせます。。。
ということで、ヴァムピールの物語の4巻目なんですが、最初の頃のゴシックホラー的な雰囲気はどこかへいっちゃいまして、能力者同士の戦いといった様相になってきました。精神科医的な笛吹さんを狂言回しに、異様な事件の裏側にある人には見えないもののあれこれを描いていくのかと思いきや、そうではない方向にいってしまいました。それが悪いという訳ではないのですが、カンタレッラの狂気が印象的だっただけに、ごく普通の物語になっていきそうなのが若干心配です。
あいかわらず絵柄は魅力的なんですけれどね。
- 作者: 樹なつみ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/11/20
- メディア: コミック
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