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「グイン・サーガ129巻 運命の子」栗本薫著 感想

 こんなに面白いのに、、、と思わず呟いてしまいました。
 栗本薫さんのグイン・サーガ、タイス編のときは寄り道のし過ぎだとか話が冗舌過ぎると言われていましたし、最近でも以前ほどのパワーがないという批判もありましたが、この129巻、とても面白かったです。前巻もそうでしたが、今回はさらに面白くなっていました。なので、逆にかえって、作品内の世界が盛り上がれば盛り上がるほどに、「まだまだこんなに面白いのに」とこのグインの続きがあとほんの少ししか読めないことが、ひしひしとリアルに寂しくなってしまいました。
 栗本薫さんがお亡くなりになって半年ほど、次の130巻の半ばまでしか作品がないことは重々承知していたにも関わらず、この瀬戸際になって寂しさが募ります。本当にまだまだ栗本センセイは死ぬのが早過ぎですよ。
 この129巻、あらすじは前巻のラストで危機一髪のピンチに陥ったヨナとスカールが脱出行を試みるところから始まり、ちよっと予想外な人物たちの登場がオンパレードで続いて、その人物の幾人かからミロク教の聖地のヤガの変貌とその背後に潜む深い陰謀について語られるというところまでが描かれており、時間軸や空間としての移動はあまりありませんが、けっこうめまぐるしく事態の展開があります。
 まだ読んでいない人も多いのでネタバレにならないように書くしかありませんが、この129巻を読むと,間違いなく外伝の1巻の「七人の魔導師」を読み返したくなる筈です。あの話の裏側がこうなっていて、今後はどうなっていくのかと非常に興味をそそられてしまいます。まぁ、勿論、それが適わないことはどうしようもない話なのですが、面白くなってきたところだけに本当に残念です。
 

運命の子―グイン・サーガ〈129〉 (ハヤカワ文庫JA)

運命の子―グイン・サーガ〈129〉 (ハヤカワ文庫JA)


 追記; こう書いちゃうと「運命の子」が誰かはもろ分かり過ぎですよね^^