小説・漫画好きの感想ブログ

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「D 魔性馬車」 菊地秀行著 感想

 ひさびさの吸血鬼ハンターDの新作です。
 今回のDは、どちらかというと脇役。主役は、貴族の城に捉えられたまま長い年月を経ていた青年が見つかり、彼を都への直通飛行機がある街まで送ることになった保安官とその助手、そこに乗り合わせた乗客達が主人公となっています。それぞれがそれぞれの思惑と、過去をもってその馬車に乗り合わせているのですが、貴族が青年を奪還するのが目に見えているので、彼らは呉越同舟で貴族に対抗することになります。
 そこにDが後半で現れるということになるのですが、今回のDは、実はちょっと特殊な依頼を引き受けての登場となっており、話としてはトリッキーになっていて、「滅び」というものを隠れテーマにして物語は展開します。戦いを中心に据えているのではないところで、新しい切り口になっています。
 ただ、この吸血鬼ハンターDシリーズも、もう20年以上に渡るという長いシリーズですので、ここまで長いシリーズだと(しかも読み切りに近い形ですので)当然ながらアタリハズレがありまして、、今回はどちらかといえば後者の方だと思います。とりあげるテーマや、話の運びは今までにないもので、料理のしようではもっと味わい深い、余韻の残るものになったかと思うんですが、、、ちょっと腰砕け。
 最近、ちょーっとどの作品もそうなんですが、菊地センセイ、パワーダウンしている感じがあります。 

吸血鬼ハンター 21 D-魔性馬車 (朝日文庫ソノラマセレクション)

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