小説・漫画好きの感想ブログ

小説・漫画好きの感想ブログ

「グ・ラ・メ 大宰相の料理人」1巻  西村ミツル・大崎充著 感想 

 「大使閣下の料理人」という名作料理漫画がございましたが、その続編というか関連作品で、主人公が前出の作品の主人公のお弟子さんという設定になっております。
 本作の舞台は、総理公邸。
 主人公の一木くるみは、自分の知らぬところで師匠の大沢公に推薦を受けており、帰国直後に首相官邸につれていかれ、実地本番で総理官邸の料理人としての試験を受けさせられます。彼女が仕えることになる阿藤首相は,「食卓にこそ政治の極致がある」というブリア・サヴァランの言葉を信条に、官邸で出される一皿一皿にメッセージを込められる料理人を探していたのだ。その信条にも共鳴したくるみは官邸料理人としての第一歩を踏み出します。。。。
 ということで、まさに「大使閣下の料理人」の跡を正統的に浮け継ぐグルメ漫画としてこの漫画は成立しています。
 もともとの原案が、西村ミツルさんという本物の公邸料理人だった人が書いたものだけに料理もしっかりしていて特別に奇をてらうものは出てこないものの、出てくる料理の一つ一つがしっかりしていて、実に美味しそうに描かれています。また、前作でも見せた現実の時事問題をうまく漫画の題材に取り入れる手法は今作でも健在で、安定感がしっかりとあって安心して読めるところも共通しています。
 ただ、そこにもってくる絵が違うことで、前作のかわすみひろしさんの大使閣下の料理人とはかなり雰囲気が違います。かわすみさんの絵柄が、わりと優しい漫画的なタッチなのに比べると、今回の大崎さんは今風のリアルな画風でありつつ萌え系の美少女が出てくるという絵柄なので、今回のもののほうがより硬質で緊迫した雰囲気があります。このあたりは、別にそういう萌え絵じゃなくてもいいのにという人と、これだからこそ読む層が広がったという人が別れると思います。
 個人的には、、、微妙なところで正直キャラクターはどっちでもよかったんですが、この絵がどう物語に影響するかを楽しんでみたいと思っています。

グ・ラ・メ! 1―大宰相の料理人 (BUNCH COMICS)

グ・ラ・メ! 1―大宰相の料理人 (BUNCH COMICS)