「大奥」5巻 よしながふみ著 感想

　男女が逆転、ジェンダーがひっくりかえった江戸時代を描く人気漫画の最新刊です。
　今回は徳川綱吉の時代が舞台で、前作・前々作からひっぱった形で彼女の治世のラストまでが描かれています。男女が完全に入れ替わり、男の数が極端に減った時代という特殊な設定下でも、赤穂浪士の話や生類哀れみの令などの史実的なものがキッチリと折り込まれているのは相変わらずです。
　盗作疑惑の話も聞きましたが、そちらの作品とはまだ読み比べてないのでそこにはあえて今回は言及せずに、漫画としての完成度だけで感想を書きますが、漫画としての仕上がりは今回もやはり巧いし，面白いし、絵的にも不満をあげるところが見つかりません。権力闘争、愛欲、心理描写、どれもきちんと描かれていて、読み応えもあります。
　よしながふみさん、やっぱり上手い作家さんだなぁというより他に言葉が出て来ません。
　

大奥 第5巻 (ジェッツコミックス)