小説・漫画好きの感想ブログ

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「陋巷に在り 顔回伝奇」1巻 酒見賢一&羽生生純著 感想

 酒見賢一の大傑作、「陋巷に在り」の漫画化版の第一巻です。
 孔子の弟子の顔回を主人公にして、礼とは何か、顔儒、儒者とは何であったのか、当時の精神世界と歴史世界を視点をくるくると切り替えながら語るこのシリーズは、伝奇としての面白さもあれば、愛憎の交錯する激しい人間ドラマも素晴らしくて大好きだったので、表紙がちょっと気にかかりつつも発売当日に買って来ました。
 が、結論からいえばダメでした。←例によって例のごとく個人的な評価ですが。
 決定的に絵柄がダメでした。ストーリーとしては、かなりはしょったり、前後させたりはしますが、基本的に原作通りにきちんと描かれていてオリジナル要素はまったくといっていいほどなく、原作に忠実だと思いますが、いかんせん絵柄が合いません。作画担当の羽生生純さんという人は、ゲーム雑誌やガンダム漫画など独特の作風で熱狂的なファンも多い方のようですが、、、、どうしても馴染めませんでした。ぐろいというか、黒いというか、デッサンが美しくないというか、、、いや、たぶんこれはこの人の画風としては完成しているんだと思うんでしょうが、あまりに荒削りな感じがしてダメでした。せっかくの大好きな原作だったから過度に期待しちゃったのもあるんですけれどね。
 あまりの美しさと妖しさに、その姿を見た男性はすべて腰がたたなくなるほど陶然としてしまう美女であるはずの子蓉が妖怪といっていいくらい恐ろしかったり(まぁ原作の彼女も純情な部分と恐ろしい部分はたっぷりともっていましたが、イメージではどんなときであろうと彼女は破格の魅力とフェロモンを振りまいていたはず)して、ひたすら苦手な絵でした。残念です。
 

陋巷に在りー顔回伝奇 1 (BUNCH COMICS)

陋巷に在りー顔回伝奇 1 (BUNCH COMICS)