小説・漫画好きの感想ブログ

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「バルサの食卓」上橋菜穂子・チーム北海道

 「バルサの食卓」上橋菜穂子・チーム北海道、、、、とあります通り、レシピ本です。
 でも、皆様ご存知のように、バルサが登場する「精霊の守り人」はファンタジー世界、つまりは架空の世界です。ですから、そこに出てくる食卓、その世界の料理といわれても、そこはそれ現実には同じ食材は存在しませんし調理のしようもありません。同じことを著者の上橋さんもおっしゃっていて、この企画はいったん流れそうになったそうなのですが、南極料理人として有名な西村淳さん(この方の実話が今度実写映画になるそうですね。西村さん役は堺雅人だそうです)が参加することによって、この世界の食材を使ってできる料理として企画が実現しましたとのこと。
 この世界には、猪肉も、パンも、蜂蜜も、鶏肉も、そしてきのこもあるんですから、それを使って作りましょうよという感じで、ここにバルサの世界の料理(もしくはタンダの世界の料理というべきか?)がレシピつきで世に出ました。どれもこれもそんなに手のこんだ特殊な料理ではありませんが、実に滋養豊かで身体に良さそうなものばかりで、最近料理をちょっとやろうかなと思っている自分的にはタイミング的にもドンビシャの本でした。
 キャッチコピーではないですが、バルサとチャグムが熱々をかきこんだ〈ノギ屋の鳥飯〉、タンダが腕によりをかけた〈 山菜鍋〉、寒い夜に小夜と小春丸が食べた〈胡桃餅〉、エリンが母と最後に食べた猪肉料理……上橋作品に登場する料理は、どれも本当にメチャクチャおいしそうです。
 

バルサの食卓 (新潮文庫)

バルサの食卓 (新潮文庫)