小説・漫画好きの感想ブログ

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「ふたつのスピカ」12巻 柳沼行著 感想

 桜庭ななみ演義と府中谷くん役の彼の演義がなかなかいいという噂のNHKドラマは見れていないので、ひたすらと漫画のほうで読んでいるのですが、、、この12巻! 少しネタバレしてしまうと、死ぬなんてことは全く思っていなかった主要キャラの一人がいきなり死んでしまいまして大変びっくりしました。 
 今思えばちょっと伏線みたいなことはあったけれど、あの人がまさかここで宇宙飛行士への道半ばにして亡くなってしまうだなんて、、とちょっと呆然としてしまいました。読んでいる途中に、若田さんがスペースシャトル・エンデバーで帰って来たりと宇宙がとても身近に感じられるような事が続いていただけに、ほのぼのとした暖かい路線の中で進むかと思っていたんですが、やられました。物語の内部的なリアリティーの為に、ドラマツルギーの為になんでしょうけれど、いきなりの死に打ちのめされてしまいました。
 SFで、同時に青春ドラマで、それでいてどこかノスタルジックな雰囲気のこの作品だけに、死は過去のものだと思い込んでいましたが、そうではなかったんですね。宇宙飛行士というのは、地上に生きる人たちよりも遥かに死に近い位置にいることを改めて実感しました。
 主要メンバーの全員が、毎年夏はこの結が浜で会おうと誓いあった時には、当たり前のように全員がずっと自分たちの誰一人欠けることなく生きていくんだと思ってはいたはずなのに、、、、。急展開の12巻。この先がどうなっていくのか全く予想がつきません。新刊が出ているってことはまだ連載は続いているんだろうけれど、「ふたつのスピカ」は最終回の想像がつきません。主人公の鴨川アスミを筆頭に全員が宇宙にいければいいんだろうけれど、今回の話の運びを見ていると、そんな絵に書いたようなハッピーエンドにはならないのだろうなぁ。

ふたつのスピカ 12 (MFコミックス フラッパーシリーズ)

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