小説・漫画好きの感想ブログ

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「カレーライスがやってきた 日本たべもの事始」 大塚滋著 感想

 カレー屋さんを始めるからとかは関係なく、そもそもがカレー好きなので再読です。
 カレーライスの四方山話は、何回読んでも面白いです。
 戦争中にすべての外国語が英語から日本語に無理矢理変えられたときもカレーだけはずーっとカレーだったとか、日本で最初に料理本にカレーが紹介されたときには具材としてネギとカエルが挙げられていたとか、最初の頃はスパイスというものが漢方薬としてしかなくて、大阪の薬種問屋がカレーを作って販売していたとか、そういう基本的な蘊蓄から始まって楽しく書かれているのが本書ではほどよい感じです。
 例えば、ハウスカレーの前身は「ホームカレー」というものを売っていた浦上商店であるとか、SBカレーも、もともとは日賀志屋という店が「孔雀」印のカレーを作り出して、普通品を「ヒドリ」高級品を「サンバード」として発売。そのうち「サンバード」の頭文字をとって「SB」となり、やがて今のヱスビーカレーになったとか、なかなかそのあたりの変遷も面白いです。
 また、いまや世間を席巻しているレトルトも、アメリカで最初に原理はみつかったものの難し過ぎて実用化できなかったものをカレーのために大塚食品が実現化したとかそういう話も楽しいです。
 ただ、ただこの本、タイトルは「カレーライス」と前面にカレーが出ていますが、7割型はそれ以外の食品の日本での始まりや、各地の文化人類学的な料理比較などそちらのほうが実は紙数をとっています。まぁ、そのあたりも非常に面白いのですが、タイトルに偽りありと言われるとまずいのでちょっと注釈をいれておきます。
 
 最後にクイズ。この本の中でこれは面白いなと思った言葉があったので紹介します。
 英米圏では生野菜に塩だけを振ったサラダのことを「ハネムーン(新婚)サラダ」と呼ぶそうですが、これはどうしてそう呼ぶのでしょうか? どうしてだか分かります? けっこう面白いなと思います。

カレーライスがやって来た―日本たべもの事始 (朝日文庫)

カレーライスがやって来た―日本たべもの事始 (朝日文庫)


 アマゾンで検索したら同一タイトルで別人の本も出て来ましたが、こちらはどんなのでしょう^^?