小説・漫画好きの感想ブログ

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「さおり&トニーの冒険紀行 オーストラリアで大の字」  小栗 左多里著 感想

 「ダーリンは外国人」のシリーズの最新作。
 トニー・ラザロという外国人と結婚した小栗さんの日常と旅行記のシリーズで、最近は海外ルポエッセイというスタイルが「イタリアで大の字」から始まって、「ハワイで大の字」、そしてこの「オーストラリアで大の字」と続いています。が、正直巻を進めるにしたがって面白さも下降していっています。
 最初の「ダーリンは外国人」はとても面白かったし、「めづめづ和文化研究所」みたいなものはそこそこいけてましたが、この外国探訪シリーズは残念ながら今ひとつです。これは僕が思うには、読者である自分が求めている方向が、最近の二人の方向とずれているからだと思います。一般の読者はたぶん、外国人と日本人のカップル、わけても文化や言語になみなみならぬ興味をもつ旦那さんの目から見るカルチャーギャップや新しい気づきなどを求めているのに対して、この海外探訪シリーズは、主人公や紹介者がトニーやさおりである必要をまったく感じない内容になってしまっているのがつまらない原因だと思う。
 マンネリ化しているという点を除いても、彼らが主人公であり彼ら彼女らだからこそのネタがないと面白くありません。特に今回のオーストラリア編は内容をあまりにも詰め込みすぎていて、一般の観光ガイドブックとなんらかわらない内容になってしまっていました。もっともっと面白いものが書けるはずだという期待もこめて星二つの評価です。
 

さおり&トニーの冒険紀行 オーストラリアで大の字

さおり&トニーの冒険紀行 オーストラリアで大の字