小説・漫画好きの感想ブログ

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「インドなんて二度と行くか! ボケ!! でもまた行きたいかも」 さくら剛著 感想

三国志男」で一躍知名度のあがったさくら剛の文庫新刊です。
 今回彼が旅に出たのはインド。インドというのは、これまでもいろんな作家さんや芸能人が旅本を出していますよね(例えば椎名誠の「インドでわしも考えた」とか中谷美紀の「インド旅行記」、妹尾河童の「河童が覗いたインド」等)。そして、そのどれでもで言われている話ですが、インドに行った人は必ず二通りにきっぱりと別れるようです。インドが熱烈になってまたインドに是非来たいと思うか、環境やインド人とのやりとりに疲れてもう二度と絶対に来るものかと思うか、と。さくら剛さんも冒頭でその話をしています。
 で、実際にどうなのかといえば、彼が本書の中で体験したようなことばかり繰り返していたら、そりゃあ二度と行きたくなくなるよなぁと思いました。彼は一人でインドを回っていたようなんですが、これがまた本当に強烈な疲れる度だった模様。行く先々で、インド名物の無茶苦茶な商談値段交渉はえんえんと続くし、インド人はほぼ全員が共謀して嘘をついて何かをたかろうとしているし、怒鳴りあいながらのリクシャや旅行会社との戦いがいつはてるともわからないまま続くし。どこかに行くのに人力車に乗ったら、必ず別の土産物屋や絨毯工場、宝石販売所、旅行会社に連れて行かれる、運賃も必ず最初と違う金額を言われて怒鳴り合いになる、ふと気がつくと監禁されている、となるとそりゃあ疲労困憊になりますよね。僕なんかは絶対に無理ですね、インドは。
 ドバイ旅行したときも(あの国も買い物は値札がないので交渉ばかりでしたが)、僕はよっぽど騙しやすそうなのか他人より二倍くらい高い値段を行く先々でふっかけられていましたから、インドなんかだと死んでしまいますね^^ それくらいインドのタフでハードな一面がよく出ている、それでいてめっちゃ笑える旅行記でした。
 まぁ、笑える旅行記っていうのがウリなので、インドの風俗だったり、名所旧跡案内だったり、文化背景的な話はほとんど出てこないんですが、笑える旅行記っていうのは嘘偽りなく、十二分に値段分以上は笑わせていただきました。