小説・漫画好きの感想ブログ

小説・漫画好きの感想ブログ

「ふたつのスピカ」10巻 柳沼行著 桜庭ななみでドラマ放映中

 先日、たまたまNHKのドラマを街角のテレビで数分だけ見たわけですが、これが結構いい感じになっていて驚きました。原作からすると、主人公の鴨川アスミがものすごくちびっこくて小学生みたいで言葉では自己主張がなかなかできない女の子だったのに対して、桜庭ななみが演じるアスミはまるで別人のように溌剌として可愛らしい熱血キャラになっているので、ん〜??と思うところがまず第一印象ですけれど、これはこれでなんか中学生絵日記みたいで(褒めているんですよ、念のため)いいかも、と思いました。感想としては、十分あり、な内容でした。
 (府中野くん役がいい味出していますね。あれ、なんていう俳優さんなんだろう)
 そして、ドラマでいうと全七話のうちの四話というか折り返し地点の放送のセリフがこの10巻のエピソードからかなり取られていて驚きました。てっきりドラマのほうはもっと前半部分だけかと思っていたんですけれど、現在の連載のところくらいまで全七回でもっていく力技をNHKは持っていくような気配です。
 で、漫画のほうのその10巻はどんなエピソードかというと、宇宙学校の生徒たちのことを政治家たちがいろいろな政治的思惑で利用しようとしていることや、かつてたくさんの死亡者がでた死亡事故をこれまた政治的に利用しようとしていることに怒った佐野先生が暴力事件を起こして退職。そのあとで、鴨川アスミの父親と十数ねんぶりに和解するエピソードなどが盛り込まれていて、けっこうほろりとさせられたり、義憤にかられたりする巻でした。
 なかなか報われないアスミの努力やがんばりが、直接本人に帰ってくるわけではないけれど少しずつ報われたり、まわりの環境が少しずつ、ほんとにほんの少しずつだけれどいい方向に向いかけているのが嬉しい巻でした。
 

ふたつのスピカ 10 (MFコミックス フラッパーシリーズ)

ふたつのスピカ 10 (MFコミックス フラッパーシリーズ)