小説・漫画好きの感想ブログ

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「グイン・サーガ127巻 遠いうねり」栗本薫著

 栗本薫先生がお亡くなりになられてからの初の出版物ということになります。
 帯に出版社からのお礼の言葉が書かれていて、まさにそうだよねと自分も栗本先生に心の中でお礼を述べました(反面、数日前に発売されたらしき講談社文庫の「六月の桜 伊集院大介のレクイエム」には帯に何も書かれていなくて、講談社さんに対して残念な気持ちになりました)。
 さて。あらすじからですが、先行してヤガに向かっていたヨナとスカールが無事にヤガへと辿り着きました。しかし、近づいて行くに連れて目につくようになってきたミロク教の変容は、ヨナをして別の宗教なのではないかと思わせるほどのもので、神官や僧官や絶対的な権力者などいなかったはずのミロク教の中に、明らかに異質な権力とヒエラルキーが出来ている気配が濃厚で二人はそれにおおいに戸惑います。
 またそこへもってきてイシュトヴァーンまでもが、フロリートスーティ、ヨナを追いかけてヤガへと向かうと言い出し、実際にそちらへと向かう形となってきました。まさに、サイロンでのグインと魔導師達との戦いの裏で、全ての星がヤガへと向かっています。
 ・・・皆様ご存知のように栗本先生がお亡くなりになられたので、実際に我々が読めるグイン・サーガはあと二巻なんですが、このぶんだとヤガでのミロク教のあれこれのところで話は終わってしまいそうで、どこまで書かれているのでしょうね。できれば、イシュトとフロリー・スーティの再会、もしくはイシュトとヨナの再会までは進んでくれたらなぁ、、、と或はウルトラCでイシュトとマリウスが再会するとか、、、そういうシーンが最後に会うと個人的には嬉しいのですが、どうでしょうか。
 グインはこのままだと本編に出てこないかも知れないだけに、最後の最後で主要なキャラクター達に出会いたいものです。そこからの展開や物語は各自の心の中でどんどん続いていくのでしょうけれど、読めるところまででそういうシーンが見たいです。
 栗本薫先生、こんなにあれこれ考えたりキャラクターについて思ったりできる物語をつくっていただいて本当にありがとうございました。

遠いうねり―グイン・サーガ〈127〉 (ハヤカワ文庫JA)

遠いうねり―グイン・サーガ〈127〉 (ハヤカワ文庫JA)