小説・漫画好きの感想ブログ

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「ザ・シェフ」14巻 剣名舞・加藤唯史

 幻の料理人と呼ばれる、フレンチの天才料理人「味沢匠」が主人公の漫画。
 「美味しんぼ」のようにほのぼのしたり、同漫画や「グ・ラ・メ」や「ラーメン発見伝」のように料理人同士が対決するわけではなく、あくまで味沢は料理を作るだけで、そこに彼が某かの意味を込めることもあれば、あくまで彼は料理を作っているだけでドラマはその周囲や客同士で起こるだけの時もあります。そのあたりが、どちらかというと中高年向けとなる所以なんですが、個人的にはそのあたりの突き放した漫画構成が結構好きだったりします。
 グルメ漫画でありながら料理の味そのものや調理法について細かく盛り上がることはあまりなく、どんな料理かもハッキリしないこともしばしば、どんな味かも読み手にはなかなか分からないものも多々出て来ますが、そういうことを超越したところにこの漫画はあります。
 せっかくフレンチメインの漫画なんで、フレンチの入門的な話なんかも入れてくれるとありなんだけれどなぁとたまに思ったりもしますが、そういう親切な若者のための作りはこの漫画には似つかわしくないという判断が逆にあるのかも知れませんね。

ザ・シェフ新章 14 (ニチブンコミックス)

ザ・シェフ新章 14 (ニチブンコミックス)