小説・漫画好きの感想ブログ

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「ゼロ傑作選 新世界の神秘」愛英史・里美桂著

 究極の神の手をもち、どんな美術品でも本物と見分けのつかないもうひとつの本物をつくりだしてしまう男「ゼロ」。その彼の漫画の傑作選の三冊目です。
 今回のテーマは南北アメリカ大陸の古代の謎とからめた話が多くて、インカ・マヤ文明にまつわ黄金郷・エルドラド伝説などが絡んできています。ひとつひとつの作品にちょっとレベル差は見られますが、大筋でエンターティナメント性と芸術ネタがほどよい感じでブレンドされていて楽しめます。まぁ、新撰組ネタとかちょっと無理なのもあるですが、全体としてはしっかりと考証してネタをつくってあります。
 あと、ふと思ったんだけれど、ゼロってなんだかブラックジャックみたいです。というのも、ゼロはどんな依頼に対してもかなりの高額を要求して、多くは全財産を請求しているのですが、気持ちが動かされた依頼に関しては結局それを受け取らなかったり別の形にして返したりするけれど、悪党からは血も涙もない回収の仕方をするからです。
 長く読んできましたが、今回ふとそんなことを思いついたりでした。