小説・漫画好きの感想ブログ

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「あたしの手元は10000ボルト」 ジャネット・イヴァノヴィッチ著

 ♪君の瞳は10000ボルト 
 ってな歌をどれくらいの人が覚えているのかわかりませんが、そのもじりで「あたしの手元は10000ボルト」という題名のついたジャネット・イヴァノヴィッチのステファニー・プラムシリーズの最新刊、第12巻です。
 このシリーズも版元を変えつつ、けっこう長続きしています。
 さて。今回のあらすじは、主人公のバウンティハンター、ステファニー・プラムのハンター稼業の導師であり最高にかっこいいレンジャー絡みの殺人&誘拐事件です。あいかわらずもバウンティーハンターとは名ばかりで、財布はすっからかんのステファニー。その彼女のもとへ、レンジャーの妻だと名乗る女性が現れます。若くて可愛くてスタイルもよいその女性は、ステファニーをレンジャーの浮気相手と決めつけ、レンジャーのもとへ案内せよとびったりとはりつきます。ただでさえ仕事のうまくいかないステファニーは、それどころではないんですがどこへ行っても彼女の車がぴったりと後をついてきます。そして、テレビではなんと驚いたことにレンジャーが別れて別の家にもらわれている自分の娘を誘拐したと全米ネットのニュースで流れて来ます。
 レンジャーと、恋人モレリの間をなんとなく三角関係になったまま流されているステファニーですが、どうしてもそれを信じることができません。果たしてレンジャーの妻とは何者か? そして、レンジャーは本当に娘を誘拐しているのか? 謎が謎を呼ぶ最新作です。
 まぁ、もちろん相変わらずのステファニー・プラムもののシリーズですから、お約束のように奇人変人は続出だし、あいかわら車は爆発しますし、死人も出ます、変態さんも増え続けます。イヴァノヴィッチさん、普段はハーレクイン・ロマンス的世界の大御所として活躍されているだけに、定番の当たり前の関係性やふつうの人たちが出てくる話からできるだけ離れたものが書きたいのでしょうね。海外ミステリながら、馬鹿馬鹿しいところときっちりミステリしたところがブレンドされた安定シリーズです。