小説・漫画好きの感想ブログ

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「怒矮夫風雲録」丸楠早逸著

 昨日はちょっとまたお風呂にはいったあとで喘息が悪くなったので、2時くらいまでダウン。そこから広告チラシとかつくっていたら結局昼前までいっちゃったので、明日と休みを切り替えました。で、今は調息も出来てきたので、眠くなるまでぼーっとしています。さすがに集中力はまったくだし動く気にはならないので、ぼやっとしています。
 昔は寝なくても二日三日は動けたのですが、年ですかねぇ。2、3時間くらいしか寝ない日が二日ほどあるともうダメです。年を取ったですねぇ。


「怒矮夫風雲録」丸楠早逸著


 軽く以前に途中版まで書いたのですが、だいぶんと後ろにいってしまったので、一応全編。
 今年の初読本でした。丸楠早逸さんという方が書いたドイツの児童文学です。
 タイトルからみたまんまで、かなり強引に漢字が使われていて、結構そのあたりのセンスに笑って決めた一冊です。怒矮夫って何だろう、って思ったら、ドワーフなんですよね、これが。
 前に書いたときは、ドイツのマルクスさん自体は、こんな中学生ヤンキーみたいな当て字を当てられるとは思っていないだろうなぁと書いたんですが、翻訳の際に訳者さんが伝えたところノリノリで漢字をあてた本作品のTシャツを着ているそうです。かっこよく見えるんでしょうねぇ。
 作品に戻って、タイトルからしたら色物に見えますが、これがそうではなくて、あちらドイツでは120万部も売れているベストセラー作品なんです。そして、シリーズが4作品出ているそうで、これがその第一巻となっている模様で、あちらのファンタジー大賞を二年連続で受賞している作品だそうですので、ひょっとしたら本当に今年あたり日本でもブームが来るんではないかという気がしてきました。
 去年は、ローリングさんのハリー・ポッターが完結して、ファンタジー絵巻も堂々の完結という風になりましたが、あちらがイギリスっぽいテイストのファンタジーであるならば、これは正当も正当。ドワーフはあくまでチビっこいけれど逞しく頑健で信義を重んじ、彼らと仲は悪いものの同じ世界に、一緒にエルフも住み、その両者と人間が住む世界が闇の勢力に狙われている、、という王道中の王道。「指輪物語」的な世界なのですから期待が高まろうというものです。トールキン先生の跡を継いだ作品になるかも知れません。
 なのに、タイトルは「怒矮夫風雲録」あまつさえ、本の帯には、「ドワーフ三国志」ときますから、彼らを出版社がどうプロデュースしたいのかが謎ですが^^
 でも、漢字多用の人名はありいといえば大アリ。エルフや妖魔(アルプ)たち、人間たちはカタカナ名前ですが、ドワーフは全員漢字で格好良いです。望遠兄(ボエンダル)と望威弟(ボエンディル)兄弟とかね。漢字で当ててあるのは中国式なネーミングで音と意味をうまく当てているので、こうしたのも楽しいなと思いましたし、覚えやすいです。
 物語のほうは、作品中で移動時間が長いのがちょっと気にかかりますが、話の展開は二転・三転、ドタバタもありで、なかなかに映像向きな感じで面白かったです。ファンタジー物の一つの魅力に異種族が手を組んで巨大な敵に立ち向かったり、種族ごとの特性を生かしたパーティ編成などがありますが、これはそのあたりをしっかりと押さえてもいます。
 児童文学が好きだったり、指輪物語が好きだった人ならお勧めです。
 

怒矮夫風雲録 闇の覇者

怒矮夫風雲録 闇の覇者