「魔術師」(下) ジェフリー・ディーヴァー著
魔術師対リンカーン・ライムチームの智慧比べ、頭脳勝負の一冊の後半なんですが、、、あきらかにパワーダウン。前半の面白さを100%としたら後半は50%にも達していません。無駄に話を引き延ばしすぎています。もうちょっとコンパクトにまとまって、上下巻じゃなくて一冊でも良かったんじゃないかなぁという感じです。率直にいって、途中までうまく話が転がっていただけに、残念度が大きいです。
ジェフリー・ディーヴァーのおはこともいえるドンデン返しが連発されていく様は小気味よかったし、プロットもこの巻の最初のところまででとどめておけばちょうどいい塩梅だったんですけれど、やり過ぎて後半少し嘘くさくなってしまいました。いくらイリュージョニストといえどそこまでは出来ないだろう、とか、連邦拘置所はそんなに警備に穴だらけだったら問題ありだろうとか(ロス疑惑の三浦社長の自殺がちょっと頭をよぎったり)、つっこみどころが増えすぎでした。
ただ、狙いとしては良かったし、ひさびさに頭脳合戦、裏の読み合いがあって面白かったです。それだけに、、やっぱりちょっと残念な後半でした。
- 作者: ジェフリーディーヴァー,Jeffery Deaver,池田真紀子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2008/10/10
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 7回
- この商品を含むブログ (31件) を見る