小説・漫画好きの感想ブログ

小説・漫画好きの感想ブログ

ひさびさに真面目な話、昔の日本

 こんばんはでございます。キラキラアフロ見ながら仕事の準備とかあれこれ中です。
 さてさて。今日は仕事で某地区にいたんですが、その説明にまわっている間にたまたま立ち寄ったたばこ屋さんでえらくすごい話を聞きました。個人情報のからみで名前が出せませんが、その80代後半のおじいちゃんの半生みたいなのを3時間ばかり聞かせていただいたんですが、これが凄かったです。
 見た目というか口ぶりは普通のおじいさんなんですが、出てくる話題が凄い。
 まずは、第二次世界大戦の終わる三ヶ月前に兵隊として中国にいった話。日本中からわらわらと兵隊が集められて大阪からも960人ほどの人が貨車に詰められて博多まで行って、そこから中国に向かったんだけれど途中で向かい先の状況が悪いってことで今でいう韓国の釜山というところに到着。そこから15日かけて山西省に行ったとか、そこで連絡部隊に割り振られて北京まで徒歩で書類を届けたり、持って帰ったりしたというような話。そのときの食事なんてひどくてひどくて飯ごうの蓋に薄いかゆみたいなものしかなくて、戦後捕虜になってあっちの強制労働施設にいたときの方が、芋が入っているだけましだったというような話。元々は、身体が悪くて甲乙平種の平種なのに、最後は連れて行かれたけれど、もともと軍人なんて向いてないから、一応軍服をきて銃剣とか渡されたけれど、結局最後まで撃ち方を教えてもらってなかったとか。終戦記念日の天皇陛下の玉音放送が流れていたけれど「復員」っていう言葉の意味がみんなわからなくて、玉砕しか教えられていなかったから、「生きて帰れる」なんて思っていなくて、「フクインって何の話だろう」って思っていたような話。帰って来たら、自分のもっている土地のほとんどが焼け野原になっていて、戦争行く前に作って人に貸してた貸家ばっかり残ってて、家族がそこにいたこと。たくさんあった土地とかは全部国に取られてしまったこと。軍人恩給っていうシステムがあったのを知らなくて、取りにいったら、当時の役人(今でいうと厚生労働省が担当かな?)に「えーっと、あなた20日間日数がたりていないから、何も出ないよ」とあっさり言われたこと。良い方に激怒したけれど、まったく相手にもされなかったこと。当時は敗戦で帰ってきたら、敗残兵という感じで採用されなかったことなどなど凄く時代を感じましたね。圧倒的な話でした。
 加えて、この人のおじいちゃんが地元では結構すごい人で議員さんだったらしく、電気というのをその街にひいた人らしいんですね。今なら拍手喝采ものです。けれど、その時は、この街にひいてこようという事になって関西電力に土地を貸して、電柱というのをいれていくことになったときには地域の住民は「そんな柱があったら困る」とか「倒れて来たときに怖い」と大反対だった話とか。今現代の僕らの感覚からするとわからない話がたくさんでした。この他にも、球場を作って寄付した話だとか、尼崎と大阪の間に市電をひくのが自分の最後の仕事だと頑張っていたのが、結局は東西線になった話とか、なんだか豪快。こういうのを聞くと、政治家とかっていうのも凄くいい仕事だなぁなんてちょっと思ったりもしました。
 なんにせよ、こういう人たちがいて、今の日本があるんだなぁと思うと少し感動の一日でした。自分とこはもうおじいちゃんもおばあちゃんも若いときからいないから、戦争の話とかってもの凄く歴史的な過去の話で教科書的なものだったんですけれど、やはり直にその当時のことを知る人としゃべるのは違いますね。
 で、そのおじいちゃんが今の日本について言った一言。「あんなけやったのに甲斐がない国になったなぁ」というのが凄く印象的でした。相撲は八百長疑惑だなんだ言ってるし、政治は混迷も混迷おじいちゃんに言わせれば国のことをちっとも考えてないやつばっかりの状況、食いもんは安全して食えんし、後期高齢者だとか無茶苦茶言われるし、おまけにタスポなんていうわからんものしてるし(あ、おじいちゃんタバコ屋さんを不動産業の傍らでいとなんでいます)、、と。おじいちゃん世代にそんなこと言われると、ちょっと頑張らなきゃなと思いますよね。
 自分なんて、全然力ないけれど(というよりも数億円とか使っていまだにビジネスしよる人相手にそんなこと思うのはおこがましいけれど)、こういうおじいちゃんらが安心して暮らせる国とか幸せだなぁと思える国にしなきゃなと思いますね。