小説・漫画好きの感想ブログ

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食料自給率の話

 こんばんは。ただいま帰りました。っても持ち帰りの残業もまだちょっとあったりしますが、まぁ一応は帰って来ましたです。
 さてさて。
 朝にちょっとだけ予告していた食料自給率の話。
 スイスや北欧諸国では、自分の国で生産した食料、自分の国の原材料で作った料理を購入するのが当たり前となっており、それがたとえ外国製品の倍くらいするとしても(実際に玉子だと3倍近くなっていた)自国のものを買う、なければ外国製品がスーパーで安く売っていたとしても買わない人が多く、それらのぶんが自国の農家に利益として還元されている実態が先日テレビで放映されていました。また、国が総力をあげてありとあらゆる方向から、ハンデをつけて農家の経営がうまくいくような補助をしているのも知りました。
 日本の食糧自給率は皆さんご存知のように極めて悪いので、こういうのはまことに時宜をえた特集かなと見ていました。
 
 上のような、自分の国の食糧は自分たちのふだんの暮らしから守っていく姿勢。今のところ日本ではなかなか見られないものですが、これ、自分は凄く大切だと思うんですよ。どうして、スイスの人は自分の生活費が高くなってでも、食費が高くついてもそういうことをするのか。
 愛国心、だけではないと自分は思います。愛国心ももちろんあるだろうけれど、その裏というか根底に何があるのか。スイスは日本以上に山も多く、耕作可能地域はかなり少ないです。そもそもが寒いですし、豊穣な地というわけではありません。しかし、彼らはその少ない耕地面積・農耕面積の中で一生懸命食糧を作ります。そこでは、日本同様に大量生産・大規模農業で諸外国から入ってくる食糧に値段で負けることのほうが多いですが、それでも彼らは成り立っています。
 それは何故か? さきほども書いたようにそれは単純な愛国心ではなく、そうすることが将来の食糧危機のときに自分たちを守ることになるというリアリストな感性があるからだと思いますし、そういうことを国民全体が意識として共有できている同胞意識の強さがあるからだとも思います。
 安いからといって外国製品ばかり仕入れていて、いざ食糧危機がでて、それらが手に入らない、とてつもない値段でないと買えないというような事態があったときに対処が出来ないとどうしようもないという事を彼らは戦争からよく学んでいるわけです。永世中立国を宣言する、それでも軍備は強力に整える、国民全員が兵士としての訓練を積む、シェルターを全国民が非難できるような数を整備する、新しい住宅には高くつこうがつけることを義務づける。これらはすべてそうした計算高いリアリストとしての認識の高さと、それらの考え方や意味をしっかりと全員に理解させ、共通認識させている、そしてそれらの時には同胞としてことにあたるという強い意識がそこにはあるのだと思います。
 翻って日本はといえば、、、あまりに暗澹とした気分になってきますが、そういうのがない。全くといっていいほど国民全体の意識としてはない。そこが問題です。
 もっとも、これはそういう意識をもてない国民の民度が問題なんだというだけではなく、いざという時に国が国民のためにすべてのできることをするという国に対しての信頼があってこその話でもあります。彼らがそれだけのことをするのには、リアリストとしての計算と同胞意識プラス、そういう気持ちに国が必ず応える筈だという信頼関係があります。
 高負担、高福祉という北欧モデルだから出来るという部分も確かにありますが、まずはそういう関係があるから出来る話だと思います。 
 
 そして、それがあるからこそ食料自給率というものがしっかり高止まりでキープされ(この議論には自給できないくらいに国として成り立たないところは別です)、国は違いますが、中国のメラミン入りの粉ミルク事件を受けて、インドでは食料品の全面輸入禁止、シンガポールの直接輸入禁止、EUの中国産原料の混入した食品の輸入禁止みたいな思い切った措置がとれるわけです。
 この点も日本はあまりにも脆すぎます。
 こういう事を考えると、この事故米・汚染米の事をいい契機にして、いまこそ食料の自給率、せめてカロリーペースでの基礎食品の自給率の底上げをしていくべきだと思います。麻生さんが勝って自民党が勝つにせよ、民主党が勝つにせよ、次の衆議院選挙のあとはそのあたりの事をつめていってもらいたいです。
 政府が補助を出すのはもちろん、国民としても将来のために自分の国の農業品漁業品を多少高くても買う、これが大事だと思います。こんなことをいうと、それはお金に余裕ができる人の話であって、安いものを買えないとやっていけないんだという議論がまた出てくるとは思います。でも、食の安全が崩壊した状態で物を食べ、いざという時に何もできない体制を続け、したくても輸入禁止することすら出来ないような状態でいる事に比べたら、そのほうが逆にわれわれ庶民にとってのリスクマネジメントになると自分は思います。
 だって、食料が高騰してしまったら、ないものはどうやっても輸入しようがないし、外国だって高く売ります。今の世相を見ればわかるように政府の無策のままに食料品は上がります。であれば、そのときになんとかできるのは金持ちだけです。本当に困るのはわれわれ庶民です。
 自給率をあげるということはそういう意味でも大事だと思うのです。
 安ければいいとつっぱしってきたつけが、今のデフレであり、食料事情の荒廃であり、さまざまな食生活習慣病の温床にもなっています。
 そんなわけで、自分はちょっと国産ものを重視した食品購入にシフトしようかなぁと思いました。思いがけずに長文になってしまいましたが、そんなことを最近は考えております。