小説・漫画好きの感想ブログ

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「鉄腕バーディー」12・13 ゆうきまさみ著

 鉄腕バーディー、DECODEというアニメ版も絶好調ですが、こちらの漫画版チェックもちょっとずつ連載に追いついて来ました。
 この二冊は、バーディーの子供時代が語られ、バーディーたちアルタ人の中でも特殊な身体能力をもった彼らが隔離されて管理されて育っていて、やむを得ないことながら叛乱を起こしてもしかたないような状況下で生活していたことが明かされます。人形と呼ばれるアンドロイドに育てられ、学校や地域でも差別されて暮らすことを余儀なくされるバーディー。そんな彼女に、運命はそれでもまだ彼女のような非差別民には過酷さが足りないとばかりに様々な試練を与えます。子供らしからぬ訓練の日々だけでなく、試験の最中にアクシデントを装って彼女を殺そうとするものが現れたり、事故にみせかけてテロが起こる現場に置かれたりとひどい事の連続で、この中で彼女のトラウマは生まれます。
 物語冒頭から言われていたバーディーの異名である「狂戦士殺し」の由来もここで語られますが、それは本当に子供にはきつい経験でした。作品全般を見ると、まだ最初の密輸事件すら解決しないままに話の風呂敷が転がっていっている状態ですが、こうした過去にさかのぼっての主人公の内面を造型するエピソードが出てくるのも嬉しいものです。 

鉄腕バーディー 12 (ヤングサンデーコミックス)

鉄腕バーディー 12 (ヤングサンデーコミックス)


鉄腕バーディー 13 (ヤングサンデーコミックス)

鉄腕バーディー 13 (ヤングサンデーコミックス)