小説・漫画好きの感想ブログ

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「グーグーだって猫である」3巻 大島弓子著

 本年291冊目の紹介本です。
 「グーグーだって猫である」の3巻です。
 映画の原作で、映画とリミックスで平積みにするくらいなら1巻2巻同様に文庫化してくれたらいいのにどうしてもこの3巻と4巻は大判しか出さないみたいなので、買ってきて読みました。前2巻まででも、ずいぶんと猫が増えたなぁと思っていましたが、実はこの3巻でもまた猫が増えます。しかも倍々ゲーム的に一気に4匹から倍の8匹にです。
 もうすっかり猫おばさん、いやスーパー猫おばさんという風に大島先生なっちゃっています。困っている子猫、ないている子猫がいると助けて拾って育ててしまいます。育てた猫を里子にだすにあたっては、里親さんが生まれるとそれが寂しくて泣き、いい人に引き取られたら泣きという猫中心の生活にどっぷりと浸かっています。サバのいなくなった後の寂しさを埋めるようにやってきたグーグーなんて、タイトルこそグーグーですがグーグー自体が霞んでしまうような集団の猫との共同生活に話は進んでいきます。正直、普通の人にはついていけないくらい、センセイ猫に入れ込んじゃっています。たぶん、彼女が売れっ子で、大ヒットを出した事がある漫画家さんでないとできない生活です。
 最後のほうでは、猫との共同生活のために家まで買ってしまうわけですから、恐るべしです。
 ただ、猫が集団になったことで、猫とのふれあい漫画兼ちょっと哲学漫画というスタンスが崩れてしまって、本当に猫かわいがりになっちゃったぶんだけ漫画の面白さが下がっちゃったような気がするのが残念でした。
 猫に対する愛は溢れるくらいですし、特にタマという目の悪い病気持ちだったけれど回復して散歩についてくるようになった猫についてはもう画面から愛情がひしひしと伝わってきて、泣きたくなるくらいなんですけれど、あくまで漫画としてみるともうちょっと漫画としての要素があってもいいかなと。高いレベルでの要求ですが、ちょっとそう思ったです。

グーグーだって猫である (3)

グーグーだって猫である (3)