小説・漫画好きの感想ブログ

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「ザ・シェフ新章」11 剣名舞・加藤唯史

 天才料理人、味沢匠の行く先々で起こる人間ドラマ。
 ということで、さすらいのフレンチの天才料理人、味沢匠の物語です。 
 このお話は、本当にシンプルで定番なストーリー展開しかしません。
 決まったホテルで働かない流れの料理人の味沢匠が、どこかのレストランのシェフとして助っ人に行く。そこの厨房でトラブルに巻き込まれるが本当のシェフとは何かを料理を通して教える。彼の料理を食べた人が昔の記憶を思い出し、今の悩み事を解決する。高慢な料理評論家やグル気取りのおじさんが彼の料理でこてんぱんにうちのめされる。彼の料理を食べて自殺しようとしていた恋人達がやり直す。基本このパターンとそのバリエーションが、その物語のほとんどです。
 絵柄もほとんど変わらず、ブラックジャックによく似た風貌の彼が日本中のあちこちでフレンチの腕でもって渡世を渡っていくというのがこの物語で、どの巻から読んでも問題がないくらいです。強いていえば、初代アシスタントだった太一という孤児院出身の料理人が独立して、今は三等身くらいの女の子(これもブラックジャックピノコへのオマージュか?)がくっついているというところに変化があるくらいのものでしかありません。
 なので、漫画的な盛り上がりや、長編の展開もありません。
 でも、何故かこの漫画は読んでしまいます。新書といわれずに、地方の場末のラーメン屋さんなんかに置いているのを手にとったら二、三十年くらい前の漫画だと信じてしまいそうな雰囲気の作品なのに読んでしまいます。なんなんでしょうか、相性のようなものでしょうかね。

ザ・シェフ新章 11 (ニチブンコミックス)

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