小説・漫画好きの感想ブログ

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「フロスト気質(下)」 R・D・ウィングフィールド著

 「フロスト気質」の下巻です。
 なんだかんだいって、結局上下巻を一気に読んでしまいましたし、それだけの面白さに満ちた一冊(二冊)でした。
 「クリスマスのフロスト」の時と同様に、イギリスの片田舎のデントンという街で同時多発的に大量に事件が起こり、フロスト警部がその全ての事件を、ひさかたぶりにデントン警察署に復活したキャシディ警部、そして若手女性刑事のリズ・モード部長刑事とともに事件解決に当るドタバタミステリである本書は、文句なく笑わせてくれるミステリです。きちんとした操作手順や推理をして丹念に証拠を集めては論理的に事件を解決するということのできないフロストだけに、すべての事件にとりあえず首をつっこんでみては直感と感覚だけで手順やルールは無視して独断専行で解決にあたるので、各方面からはクレームが山のように出てくるし、署長でフロストとそりのあわないマレットからはしじゅえお小言とお説教が雨あられと降り注ぎ、キャシディは形上共同で事件にあたっているはずなのに邪魔にしかなりません。
 そんな状態で、誘拐事件が二つに、殺人事件が三つ四つ、窃盗やゆすりたかり、狂言詐欺までを同時進行で僅かに二日三日で解決しなきゃならないんだから、無茶も無茶で作中のフロスト警部同様、こっちもくらくらと目眩がするような大忙しで大混乱な捜査につきあわなくてはなりません。でも、それがとても楽しくてついつい一気読みでした。
 フロストはあいかわらずに下品で猥褻で適当な男だけれど、子どもを助ける為にそれこそ何もかもすてて突っ走る姿にはちょっとほろりとさせられたりもして、満足の一冊でした。読みでのあるミステリはやはり楽しくて満足・堪能しました。
 惜しむらくは、このあとに残るフロストシリーズは、著者がなくなってしまっているので、泣いても笑ってもあと二冊のみ。翻訳されるのが待ち遠しいですが、そのあとが絶対に出ないという事を考えるとちょっと寂しいです。
 

フロスト気質 下 (創元推理文庫 M ウ)

フロスト気質 下 (創元推理文庫 M ウ)


 
 追記:ミステリ繋がりというわけでもないんですけれど、今たまたまDVDにとっていた「シバトラ」見ているんですが、、、小池撤平くんはあいかわらず可愛らしい顔をしていますねぇ。コンビの相方のウェンツがだんだんと汚れキャラになっていくのと比べると、いつまでたっても初々しい感じがします。