小説・漫画好きの感想ブログ

小説・漫画好きの感想ブログ

「ネコソギラジカル(上) 十三階段」  西尾維新著

 西尾維新のデビュー作のシリーズ、戯言シリーズの最後の作品で上中下巻の三巻セットの一冊です。 
 この巻では、主人公のいーちゃんが、狐の面の男から「俺の敵」と認定され、世界の終わりを見ることを生き甲斐とする彼からの宣戦布告を受けることから始まります。狐面の男は、主人公たちの仲間であり人類最強の請負人の父親らしいという情報も加わり、主人公は逡巡を見せますが敵の攻撃はしつこく、十三階段と呼ばれる不吉なチームが総掛かりで主人公達に攻撃を開始します。
 それぞれが不思議な能力を有していたり、代々殺し屋をやっている面々からなる十三階段に立ち向かうには主人公はあまりに物理的には弱い立場で、結局は周囲の仲間たちを頼らざるを得なくなるのですが、敵の猛攻の前に一人また一人と味方は倒されていきます。ゲームのようなコンティニューの無い世界でのリタイアはそのまま死を意味します。
 なのに、敵はそんなことにおかまいなく自分たちが死ぬのもいとわず攻撃をかけてきます。「世界の終わり以外は、どっちでもいいことだ」と飄々と構える狐面の男に心酔する彼らにとっては自分たちの命もまたどちらでもいいことのように。
 そして、本巻の最終巻で、彼は主人公にとって最大のトラウマともなっている人物を十三階段最後の切り札できってくるのであった。。

 いや、あらすじ解説みたいになっちゃいましたが、このシリーズの味はキャラ小説の部分にもかなりの比重があるし中下巻で作品総括的な話はするしということでこうなっちゃいました。ただ、ある程度の長さをもった漫画なり小説の最後の総力戦的な熱さがこの三部作にはみなぎっています。ただ、それなのに、あくまで読み味はソフトで主人公達もクールというか飄々としていて、本当に読み飽きません。
 

ネコソギラジカル (上) 十三階段 (講談社ノベルス)

ネコソギラジカル (上) 十三階段 (講談社ノベルス)