小説・漫画好きの感想ブログ

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「無限の住人」23巻 沙村広明著

 江戸をを出たと見せかけて、逸刀流の精鋭4名が江戸城に侵入。奥へ奥へと侵入、城詰めの武士たちを切り伏せていきます。右に左に、罠をものともせずに突き進んでいきます。
 チャンパラです。
 いい意味でほぼ全編チャンパラ。江戸城を舞台に、剣士たちがひたすら敵と戦っています。
 斬る、突く、なぎ払う、蹴る、転がる、投げる、叩き割る。血と肉が激しくしぶいています。ゲームの三国無双のように、相手がまるで塵芥のように切り刻まれて行きます。殺陣の激しさと動きの描写の技術がとても高いので、魅せられます。
 もともとが、時代劇ものが好きなので(「遠山の金さん」とか「隠密同心」とか「必殺仕事人」とか「銭形平次」とか「影の軍団」とかそういうのを見て育ったもので)、武士ものとか時代物が好きなとこにもってきて、そこでの戦いをメインにした痛快漫画ものって少ないので作品が出たときからずっと追っかけています。
 今回は先にも書いたように、ひたすら全編が戦闘ですが、わざわざ彼ら4人が命を賭けて江戸城に侵入して戦う理由が剣士としての自分たちの意地とプライドを見せつけるためというのもいい感じです。侵入した4人は、統主の天津影久も含めて全員の刀がまともに日本刀ではなく、武士ですらないものが半数という状況で破格に強いながらも正式な職につくことも適わない者たちだけに、その行動は受け入れられる筈もないものですが、それだけに魂の叫びのようなものが強くありました。
 

無限の住人(23) (アフタヌーンKC)

無限の住人(23) (アフタヌーンKC)


 追記
 まぁ、時期が時期だけに、下手したらいろいろなとこから叩かれかねない漫画ではありますが(人が死んだり拷問されたりするシーンがあまりに生々しいといえば生々しいし、ひたすら敵を切り伏せますので)、潰されることなく進んで欲しいです。この夏にはアニメ化もしています。予告で見る限りでは、画面の暗さ加減はベルセルク北斗の拳以上にダークです。