小説・漫画好きの感想ブログ

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今週の無茶ぶりされた「さよなら絶望先生」の凄い返し

 下の雷句誠さんと少年サンデーの編集部との訴訟問題で無茶ぶりされた久米田康治先生。 
 今週のサンデーでがっちりと無茶ぶりに答えていてびっくりでした。ネタ全編が「雨降って地固まる」をキーワードに、実際にはかたまらないで泥沼が待っていますよね、と雷句さんとサンデー編集部の戦いを反映したように取れる回でした。
 具体的に話の中でも、「もはや修復不可能な争い」として「正当な理由で打ち切った編集著」vs「不当な理由で打ち切られた漫画家」とか結構煽っています。
 ただ、おぼれている二人が我こそを助けるように言い、「漫画家がいなければ漫画がかけません」「編集者がいなければ本が出せません」と自己主張するのに対し、作中の中学生に「どっちを助けるか」と聞いて、「マンガ読むひまがあったらケータイかネットっしょ」とぐさりと一言。このあたりが久米田氏の本音なのでしょうね。他のシーンでも「出版者と漫画家 徹底的やればいいよ!」という生徒に対して、「読者がいなくなります!」という返しを入れていますから。ある意味、この論争に久米田さんは大人な対応をしたということでしょうか。
 しかも、そういう分別臭い話だけだと面白くないと思ったのでしょうか、「サンデーとマガジンも仲良くなったし」という作中キャラに,同じく主人公が「それは表面だけですから!」と突っ込んだり、遠い2万年後の未来の時代に話を移して、過去に滅んだ娯楽として漫画を登場させ「それって面白いの?」という問いに「ヤングサンデーってのは面白かったらしいですよ」と休刊決定のヤングサンデーを話題にしたりとかなり危険スレスレのこともやってくれています。(なんせ講談社の少年マガジン誌上で、小学館のヤングサンデー廃刊のネタを持ち出す訳ですから)
 危険といえば、マガジンとサンデーはジャンプにはちょっと勝てない、でもガンガンには勝てるかな的なこともでてきます。本当にまぁ、タブーを軽く破っちゃってそれでいて漫画として楽しめる話にできています。
 いやぁ、久米田先生、あなたは凄いです。
 前々からプッシュしていますが、こういう人、個人的に徹底的に応援したいなぁ。